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雨の日の警備 その2(雨対策のアイテムについて)
2022年3月2日

はじめに

 

警備業は、働く現場や業務内容によって、天候の影響を受けてしまうことのある仕事です。

 

「雨の日の警備 その1」では、休みや勤務について解説しました。
▶「雨の日の警備 その1(休みや勤務について)」へ

雨は季節を問わず降り、天候が急変する可能性もあるため、事前の準備と対策が必要です。

 

今回は、雨対策の具体的なアイテムの選び方などにについて、ご紹介していきたいと思います。

 

雨対策のアイテム

基本的に用意する雨具として、

 

●レインコート・カッパ、レインウェア・レインスーツ
●長靴・耐滑(たいかつ)安全靴

 

などがありますが、その他に、

 

●手袋(防水・防寒など)
●制服の下に着る服(速乾性の肌着など)
●防寒用アイテム(カイロなど)
●その他(タオル、反射テープなど見やすくなるもの)

 

などを準備しておくと安心です。

 

雨具などの装備は各自で用意することがほとんどですが、警備業として次のような注意が必要です。

 

1.警備員の服装には「警備業法」という法律による規定があります。
警備会社が都道府県の公安委員会に会社の服装届を提出して、許可を得たもののみ着用することが決められています。
そのため、何でも好きな雨具を選べるとはかぎりません。

 

2.雨の日であっても、
・防犯上、周囲から見て警備員だと分かるように制服や腕章が見える
・警備員が作業をする安全上、反射材などが見える
装備であることが求められます。

 

 

会社によっては、透明や蛍光色のレインコートや腕章付きレインコート、レインコートの上に着る反射材付きベストなど、指定の雨具が支給される場合もあります。
各自で用意が必要な場合は、会社指定の色や装備について、事前に確認しておきましょう。

 

選び方の基準

ここからは、警備の仕事に適したアイテムの選び方のポイントを解説します。

 

●レインコート

安全面や機能性などを重視し、次の3点に気をつけて選ぶとよいでしょう。

 

1.色
カラフルなレインコートもありますが、警備員の居場所を周囲に知らせることが重要なため、制服や腕章が隠れてしまうものは避けましょう。
雨の日は、晴れの日よりもドライバーや自転車、通行人の視界が悪くなりがちです。
透明のレインコートは、遠くからでも制服が見えやすいという利点があります。
白いレインコートは、道路の黒と反対の色のため、警備員が立っていることが目立ちやすいです。
もし会社からの指定が特にない場合は、透明か白いレインコートを準備しておくとよいでしょう。

 

2.形
・レインコート/カッパ
レインコートとカッパは同じものを指します。
パンツは付属されておらず、基本的にコートのように上着をはおるタイプをいいますが、「カッパ上下」などの表記で販売されていることも多いです。
パンツが附属していないため、足元が濡れてしまうことがあるのが難点です。
しかし、脱ぎ着がしやすく、急な雨降りの場合に素早く対応できるメリットがあります。

 

・レインウェア/レインスーツ

セパレート式で、上着とズボンに分かれているものをいいます。
雨天時に着る衣服の総称(レインコートも含む)をレインウェアといいますが、「レインウェア」や「レインスーツ」などの名称で販売されており、上下セットでそろえることができます。
パンツがあるため足首までしっかりカバーでき、全身が濡れにくいので、動きのある現場にも耐えられる形です。
反射材が付いているものは、雨の日だけでなく、夜間の警備にも役立ちます。

 

屋外での交通警備や工事現場では、旗などを持って誘導することも多く、傘をさせる現場は少ないかもしれません。
そのため、レインコートやレインスーツなど、両手が使える雨具の方がよいでしょう。
どのタイプにするかは、働く現場の環境によって自分に合った形を選びましょう。

 

 

3.素材
防水と撥水では機能が違うため、製品の表示を確認しておきましょう。

 

〔防水〕水を中まで通さない機能をいいます。
水を通さない生地や、コーティングや加工で雨に強い素材にしたものがあります。
防水加工された生地は洗濯にも強く、長く使用しても効果が衰えにくいです。
しかし、水だけでなく空気や湿気も通さないため、汗をかくと蒸れやすいという点があります。

 

〔撥水〕水をはじく機能をいいます。
撥水加工された生地は、水が張り付かず球状になって転がります。
空気や蒸気が通るため、防水加工のものに比べると蒸れにくいでしょう。
基本的に少しの水をはじくものなので、強い雨の場合には効果が発揮できず、生地に染み込んでしまう可能性があります。
また、洗濯を繰り返すとコーティングが落ち、徐々に効果は薄れていきます。

 

その他に、裏が蒸れにくいようメッシュ素材になっているものや、長時間の着用を考えて軽く作られたものなど、色々と工夫された製品があります。
防水と撥水では、どちらにもメリット・デメリットがあるため、使用する期間や、自分の体質に合う素材を選んでみましょう。

 

 

●長靴・耐滑(たいかつ)安全靴

警備業では、どの業務でも靴は黒にするよう指定されることが多いです。
基本的には黒色にし、耐水性を考えて選びましょう。

 

・長靴
雨の中を立ち続ける現場などでは足元から冷えることも多いため、時期によって防寒機能のある長靴を使用するとよいでしょう。
夜間の警備も含めて、反射材のついている長靴を選んでおくとより安心です。

 

・耐滑(たいかつ)安全靴
雨で濡れた場所への出入りや、移動をする現場では、転倒防止のため耐滑性のある安全靴がおすすめです。
通常の安全靴よりグリップ力が優れており、「耐滑」や「耐滑ソール」などの記載があるものを選ぶとよいでしょう。

 

 

●手袋

手袋の中が濡れずに済むよう、耐水性の素材を選びましょう。
特に冬の時期は、雨や雪で手袋が濡れる可能性が多いため、指先の冷え・しもやけ対策も必要になります。
耐水性だけでなく、防寒機能もある手袋にするなど、季節や天候に合わせて最適な素材を選びましょう。

 

 

●制服の下に着る服

雨の日には、雨具を装備して濡れないことが第一ですが、体が冷えないよう制服の下に着る服も気をつけて選んでみましょう。
速乾性の肌着や、保温力の高い素材の肌着など、高機能の肌着も多く販売されています。

重ね着をして水分が肌に届かないようにすることもできますが、厚着のしすぎで汗をかくと、汗が冷えの原因となる場合もあります。しっかり調節した上で制服が着用できるとよいでしょう。
特に冷え込む季節の警備は、雨対策と並んで防寒対策も重要です。
▶詳しい防寒対策は『冬になる前に!警備員の寒さ対策について』へ

 

 

●防寒用アイテム

・カイロ(貼るタイプ・持ち運びタイプ)など

 

 

●その他

・タオル
雨具を使用しても、顔はどうしても濡れてしまうため、休憩時間などにしっかり水気を拭き取っておくようにしましょう。

 

・反射テープなど見やすくするためのもの

それぞれ、現場に適したアイテムや自分の体質を把握しておくと、いざ必要になったとき安心です。いつ雨が降っても対応できるように準備しておきましょう。

 

 

雨の日のトラブル例

雨の日には、思わぬトラブルが起きてしまうこともあります。

 

例のひとつとして、次の表をご覧ください。

<厚生労働省「未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル 警備業編(2020)p18(PDF23p)>

 

「ヒヤリ・ハット」とは、“重大な事故に発展したかもしれない危険なできごと”を指します。

危険な目に遭いそうになってヒヤリとしたり、ハッとしたりするところから由来しており、警備業だけでなく、製造業や建設業、医療や介護の現場などでも使用されている言葉です。

 

表の中の「巡回」とは、施設警備で、決められたルートに従って施設を巡りながら監視する業務のことです。
上記は、転倒せずに済んだ事例ですが、もし転倒してケガをしてしまった場合、その日の業務が続けられなくなるかもしれません。
また、ケガがひどい場合は後日の勤務にも影響してしまうでしょう。

 

たとえ雨具を用意していても、適切な時に使用できなければトラブルや事故の元になってしまいます。表から分かるように、

 

・決められた指示を守る
・予測して準備をする
・対策を考える
・注意点を意識しておく

 

ことは、トラブル回避のために重要です。

 

まとめ

雨の日には、警備対象の場所や警備をする時間、業務内容に適したアイテムを準備し、しっかり対策を考えておくことが安全な仕事につながります。

 

また、レインコートの色選びでも挙げましたが、雨天時にはドライバーや周囲から警備員の姿が見えづらくなるため、特に注意が必要です。

 

1日の仕事を無事に終えることができるよう、晴れの日以上に、自分自身の安全にも意識を向けて業務を行いましょう。