警備員の不審者対応

はじめに

 

全世界から見ても治安が良く安全な国の上位にランクインする日本。
しかし、安全といわれている日本でも思いもよらない事故や事件に巻き込まれてしまうケースが増えています。

 

この記事では、施設警備の警備員が勤務中に不審者を発見した際の対応や、施設警備の専門家としてスキルアップするための資格、個人でできる防犯について触れていきます。

 

不審者とは

 

「不審者」を想像してみると、黒いサングラスにマスク、全体的に黒っぽい服装で帽子を目深に被っている。というイメージを持つ方も少なくないと思います。
しかし、最近では見た感じだけでは不審者だと気づかない事が多いのではないでしょうか。

 

「不審者」とは、見た感じは一般的な人物なのに、その場所・その時間・その空間に合わない人・何か嫌な感じがする・雰囲気に違和感があるなど、何かがおかしいと疑がわれる人の事です。

 

施設警備業務での不審者対応

施設警備業務の施設とは、デパートなどの商業施設や店舗・工場・オフィスビルなどで、
主な業務は、出入管理や巡回・緊急対応など防犯や防災といった業務に従事します。
では、警備員が施設で不審者を発見したとき、どのように対応するのかを解説していきます。

認識と対応

施設警備は、その業務内容の中に「不審者の対応」がというものがあります。
不審者は、いつ何時現れるのか予測もつきません。警備員はその予測不能な状態でも対応できるように日頃から様々な研修を受け、護身術を学びます。

 

【認識】
怪しい行動をしている人を見かけた場合、その人物を観察し認識します。

 

【報告】
警備の責任者に報告し万が一の場合に備えます。

 

【対策】
警備員は1人で行動せず、チームを組み対応に臨みます。
警察へ通報します。

 

【対応】
警察と違い、警備員には逮捕の権限はありません。警察が到着するまでの間、不審者を興奮させないよう丁寧に対応し、周囲にも被害が及ばないように気を配ります。
しかし、警察が到着するまでの間に不審者が逃走する危険や現行犯人である場合は現行犯逮捕をする可能性があります。
(現行犯人とは:犯罪を行っている人・犯罪の状況を現認された人のことです。)

 

警備員は、その業務や存在が不審者や犯罪者の抑止力になっていますが、仮に不審者が攻撃をしてきた場合、制止や捕捉をするなどの対応が求められます。
日頃から訓練していてもリスクを伴いますので、柔軟な対応や高い意識が必要とされます。

 

警備員の研修・資格

警備員は警備会社に就職すると、まず初めに警備業法に定めてある警備員教育(新任教育)を受講します。

 

警備員教育(新任教育)には、警備業務に関する法令・基本動作を学習する「基本教育」と実際の業務に関連したことを学習する業務別教育」を受講する事が義務付けられており、その研修の中に、護身術・護身用具の使い方・不審者を発見した場合とるべき措置などが含まれています。また、定期的に不審者対応訓練などを行い万が一の場合に備えています。

 

また、犯罪や事故を警戒し防止するという業務を行うため、より専門的な施設業務施設検定(1級・2級)の資格を取得したり、警備員の教育などを担当する警備員指導教育責任者(1号警備から4号警備の4種類があります。)の1号警備資格を取得します。

 

緊急時の防犯対策

 

一般の人が不審者を発見したなど、不足の事態に遭遇してしまい周囲に誰もいない状況の場合は、逃げる・大声で助けを求めるという事が一番の対策ですが、咄嗟の場面ではなかなか対応できないのではないでしょうか。

 

そんな場面に遭遇したときは、不審者とできるだけ距離を開け携帯電話の緊急通報サービスを利用したり、防犯ブザーを使用して業務に従事している警備員に助けを求めましょう。

 

・携帯電話緊急通報サービス
携帯電話には緊急通報サービスという機能がついています。緊急通報を操作すると自動的に位置情報を緊急通報受理機関に通知されます。普段から操作を覚えて咄嗟の場面でも対応できるようにしておいた方が良いと思います。

 

・防犯ブザー
ペンダント型やパスケース型、キーホルダー型など可愛らしいデザインの防犯ブザーが揃っています。通販や家電量販店などで簡単に購入できますし、緊急時にワンタッチ操作で発報でき、周囲に危険を知らせることができます。

 

まとめ

今回は警備員の不審者対応と資格、また、自分でできる防犯についてお話ししました。
不審者は残念ながら何所にでもいる存在で、いつどこで遭遇するか分かりません。
警備員のリスクは高いといわれますが、施設警備の専門家として日々研修・訓練を行い業務に従事しています。

 

MTテクニカルジャパンの施設警備業務では、各施設や店舗・企業や工場など施設内外の防犯や防災のため、専門家としての高い意識を持った、エキスパートな警備員が出入管理業務や巡回警備・緊急対応を行い皆様の安心・安全をサポートしています。

 

個人での防犯対策も意識しながら日常を楽しく安心して過ごせたら良いと思います。