警備員の仮眠時間について

はじめに

 

警備の仕事は一般の職業とは異なる勤務体系で、中には24時間勤務も珍しくありません。警備の仕事を経験したことがない人にとって警備員の仕事がよくわからないことも多いかもしれません。今回は警備員の仮眠などの休憩はどうなっているのか紹介します。

 

24時間体制の勤務の場合、警備員はどんなふうに仕事をしているの?

勤務体制が3交代制で人数に余裕があれば十分に休憩を取る事ができますが、中には1人で24時間連続勤務する警備の仕事もあります。

 

24時間勤務の場合、実質的な勤務時間が16時間で休憩時間が8時間というのが普通です。つまり2日分の労働を連続でしている事になります。夜の仮眠時間は4時間以上取ります。勤務当日を当直、勤務日の翌日は「明け休み」という休日となり、翌々日が完全な休みで、24時間働いて2日休みを繰り返しながら働くということなります。

 

勤務内容は業務が発生するまで待機する時間がほとんどなので、50歳代~60歳代が多く活躍している職場です。年配の方でも無理なく働ける職場だとも言えます。また、休息の時間を資格取得の勉強に充てることもできますし、平日に休みが取れるというメリットもあります。

 

一方で、過去に「仮眠が休憩になるのか労働時間に入るのか」裁判になったことがあります。

 

仮眠時間は勤務時間なのか?

仮眠時間でも次のような場合には勤務時間となります。

 

・使用者の指示があればすぐに仕事をしなければならない状態にある場合

 

・常時出動できる状態で仮眠している場合

 

つまり、いつでも仕事に取り掛からなければならない状態で仮眠をする場合が勤務時間とされているのです。また一般的に、宿直勤務を行う職場の場合は相当の睡眠設備を設置しなければならないという決まりごとがある為、仮眠できるスペースが用意されていることが多いです。就職する前に事前に労働時間や休憩時間を警備会社に確認しておくと良いでしょう。

 

警備員はいつ体を休めるのか?

誰でも長時間休みがないと疲れて倒れてしまいます。警備の業務は、夜は基本的に人の往来がなく急に問題が発生することも少ないために待機時間に食事をとってもかまわない事が多いです。

 

大きな会社によっては警備員の人数が多く交代して休憩が取れるように配慮してくれます。もし無理な勤務体系があるなら会社と相談してみると良いでしょう。

 

良い仮眠をするために

夜勤前に昼寝を少しとると夜の睡眠を補うことができます。

 

質の良い睡眠にするためにはまず、食事にも気を配りましょう。
仮眠前は刺激のあるものや脂っこいものは避け消化の良いものを選びます。カロリーの高いものは避けたほうが良いです。睡眠を妨げるカフェインなども控えましょう。

 

食事を多く取り過ぎると眠くなりやすいので、眠りが深くなりすっきり起きられなくなります。また、食後すぐに寝ると胃腸の消化に悪いので、寝る3時間以上前に食事をすませることをお勧めします。

上手な仮眠の取り方

寝る直前にスマホを見るのは控えましょう。ブルーライトにより睡眠の質を悪くしてしまいます。

 

無理に寝ようとせずリラックスするようにしてください。横になって目をつむっているだけでも良いです。長く眠ればよいというものではありません。

 

深い眠りの時に起きてしまうと目覚めが悪くなってしまうのでレム睡眠(浅い睡眠)の時に起きられるように調整しましょう。ノンレム睡眠とレム睡眠の波は90分おきに繰り返すので2時間程度の仮眠を取るのがベストです。

 

十分な時間が取れない時は椅子に15分くらい座って目をつむるだけでも良いです。アイマスクや日ごろ愛用している枕、寒いときには湯たんぽなどを使用するのもいいと思います。

 

当直明けには

太陽には覚醒効果があるので当直明けに帰宅するときは、サングラスをかけて帰るのがおすすめです。

 

24時間の夜勤明けの午前中に3時間から4時間睡眠時間を取るようにします。夜は普段より早めに寝るようにすると生活リズムを戻しやすくなります。

 

夜ぐっすり寝るために夕方に軽い運動をしたり、睡眠と深い関係がある入浴も良いと思います。湯船の温度は40度前後に設定し、入浴は睡眠時間の1~2時間前にすませて眠りにスムーズに入れるのが良いでしょう。

睡眠不足の影響

しっかりと質の良い睡眠がとれないと自律神経が乱れ、体を壊しやすくなってしまいます。

 

睡眠不足が続くと頭がボーっとして認知機能や判断能力が低下したり、感情のコントロールができなくなってしまいます。

 

また疲労や倦怠感、免疫力の低下や糖尿病・脳卒中・高血圧などの生活習慣病の悪化や肥満につながります。寝不足によって体内のホルモンバランスが悪化し、空腹感が強まり満腹感を感じなくなったり、睡眠を安定させたり体のリズムを整えるメラトニンの分泌が減って眠れなくなるなど悪循環です。

まとめ

警備員の仕事は長時間労働で勤務形態も一般の会社員と違います。

 

しかし、仮眠の取り方を工夫するだけで楽に仕事ができるようになります。

健康な状態を維持しながら仕事を続けられると良いですね。