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警備に必要な装備、道具、用具
2021年2月26日

はじめに

警備はどのような服装でするのでしょうか。
また必要な道具や用具にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回はこの部分についてスポットを当てて見ていきたいと思います。

服装について

警備業法第16条にて、警備業者及び警備員が警備業務に用いる服装についての制限及び届出制度が定められています。
規定は、警察官に類似した制服を用いて犯罪が行われた事例などが発生したことにより設けられました。

 

警備業務を実施するのに当たり、必ず制服を着用するという義務はありません。
万引き対策の保安警備や身辺警備などで私服の警備業務も実施されています。
しかし、多くの警備業務では警備が実施されていることがわかるよう制服を着用しています。
これは、見せる警備により事件・事故の発生を未然に防止するためです。

 

制帽
ビルやデパート等の激しい動きが求められない場所の警備員が着帽しているのが制帽です。
落ち着きと貫禄がある警備員を表現しています。
使用する時は、正面に各警備会社の徽章が取り付けられることが多いです。

 

制服
警備業務に使用する制服は警備業法により所定の標章を取り付けて着用することになります。
手入れを欠かさず、きちんと着用することで警備員の貫禄を表現します。

 

安全皮短靴
ただの短靴を使用する場合と爪先鉄芯入りの安全靴を使用する場合があります。
皮短靴の見た目も警備には重要です。
しかし、業務の性質上、工事現場であったり、危険箇所があったりする設備室や機械室や工場等の見回りもあるので、安全靴の性能も求められることになります。

 

モール
主に警備員の警笛が取り付けられているモールです。
各警備会社によって違いがある可能性がありますがルールがあり、多くは色で役職等の区別がされています。
事故発生時は、このモールを止血帯として使用することも可能です。

道具や用具について

警備員が業務を適正に行うには、広範囲の施設内で他の警備員との連携をとる必要があります。また、多人数を相手に適切な案内や注意を行うことも必要になります。

 

 

警笛
警備員が常に携帯しています。緊急時の注意喚起や合図に多用されます。
普段はモールに取り付けられていて胸ポケットに収納されています。
使用する環境や求める音質の違いがあります。
材質には金属製やプラスチック製があり、大きさにも種類があります。

 

業務用無線(携帯用)
広範囲の警備施設や、フロアが分かれた警備員がお互いに連絡をとるために使用します。
悪条件であっても数km先まで電波が届き、安定した性能を発揮できることを期待できます。
1度の通話で全体の警備員に伝えることが可能なので、全体の連携を取るためにはとても重要なものです。
地震などの緊急時でも使用できるという強みもあります。

 

トランシーバー
電波の届く範囲は狭いですが、同一フロア内で警備員が連携をとるために使用します。
電源に専用バッテリーの他乾電池も使用できるので、電池切れ時や10時間を越え連続して警備を行う場合に強みを発揮できます。

 

業務用無線 (車載用)
車両による巡回時に警備員と連絡を取るためのものです。
携帯電話は、運転中に使用できません。
しかし、無線機は使用できます。(使用出来ない無線機もあります)
地震などの災害でも使用できるという強みがあります。

 

拡声器
事故防止のための広報や、緊急時の避難誘導などに使用します。
警笛と合わせて使用することにより、緊急の場合の混乱時に注意を引き、適切な案内を行うことができます。
緊急時に使えるよう、訓練や点検が必要です。

 

護身用具

警備員は護身用具を必要とすることが多いです。
警戒棒、警戒杖などを中心に広く携帯されています。
また、新しい護身用具の開発も行われています。

※護身用具には制限があります。
その種類、場所、携帯によっては、行き過ぎた警備業務がないように警備業法第17条の中で一定の規定があります。
具体的な使用の制限については各都道府県公安委員会規則にて定められています。

 

警戒棒
多くの警備員が携帯しているのが金属製の特殊警戒棒と木製警戒棒です。
金属製は、伸縮3段式です。短くした状態で腰の帯革のホルダーに収められて携行しています。

 

平成21年7月1日より「警備業者等が携帯する護身用具の制限等に関する規則」の改正により規格が変更されました。
昔から広く使用されている鉄鋼やステンレス製の伸縮式特殊棒の他に、現在ではジュラルミン等のアルミ合金製による製品が広く普及しています。
ジュラルミン等のアルミ合金製の特殊警戒棒は、新しい規格により全長が一回り大きいサイズになっています。
また、規格変更したことにより手元に鍔付きの物が使用可能となっています。

 

※警備業務の中でも、さほど身の危険がないと判断される雑踏警備や交通誘導警備、単純な施設警備の時は、警棒の携帯は許可されていません。
許可されるのは現金輸送車の警備や、貴重品、美術品などの運搬警備を行う場合が主となります。

 

しかし、施設警備や雑踏警備でも、危険が伴う現場の場合は警棒の携帯が許可されます。
警備員が警棒を携帯できるかどうかは、現場ごとに管轄の公安委員会に届け出を出して認可が下りた場合のみです。

 

警戒杖
現金輸送や重要施設の警備用で使用されるのが警戒杖です。(警戒じょう)
警備員の用具の中で、制圧技を含め取扱いを訓練する数少ない攻撃的な装備です。

 

防弾チョッキカバー

防弾パネルや防刃パネルを入れて着用するものです。
夏場などでは蒸れますので、カバーのみを度々洗濯して清潔にしてください。

 

防弾パネル・防刃パネル
重装備の警備員が着込んでいる防弾チョッキなどの中身です。
武装した犯人に襲われた時に身を守るための装備になります。
性能の過信は出来ませんが、危険と隣り合わせの時は最重要なものです。
また、夏場の着用は熱いので注意してください。

 

夜光ベスト、交通腕章
2号(交通誘導)警備に使用するものです。
交通誘導警備員は、車両事故に巻き込まれることも多いので、安全用具としての意味でも欠かせないものとなっています。
また、夜間には、視認性を高める為に点滅するチョッキを使用します。

 

紅白・黄手旗
2号(交通誘導)警備に使用するものです。
進行停止に使用するのが紅白で徐行や注意を促すのが黄色です。

 

白手袋
見た目の印象を向上させる目的があります。
事件発生時に警備員の指紋を現場に残さないようにするために使用します。
また、白く目立つので案内誘導の際にも使用されます。
着用している1双。事件発生時の現場保存用に1双を携行しています。

カラーボール

緊急時に犯人や、逃走車両に投てきするものです。
目立つマーカーとしての役割があります。
また、色を洗い落とした場合でも特殊な光をあてることで痕跡をたどることが可能です。
携行用のケースに入れ、帯革に取り付けた状態で使用します。

 

革・夏衣止め
腰ベルトに重ねて着用するのが帯革です。
警戒棒等の様々な携行品を帯革に取り付けて着用するものです。
警備の種類によっては、カラーボールの替わりにキーケースなどに付け替え使用します。

 

夏衣止めは、帯革とズボンのベルトを固定してずれを防止する役目があります。
帯革の使用を廃止している警備会社もありますが、ズボンベルトと帯革を分けることでより長い時間使用する場合の疲労軽減や、外れの防止になります。
また見た目の向上にもなります。

 

キーチェーン(腰鍵)
鍵等を携行するときに使用するものです。
警備員にとって鍵の取扱いは極めて重要なことです。万が一の紛失に備えて必ずキーチェーンを取り付けます。
警備を実施する場所によっては、紐タイプ(腰紐)や、伸縮するコイル式のものを使います。

 

キーケース
腰鍵に取り付けられた鍵をさらにケースに収納して携行します。
チェーンから脱落した時の備えになっています。

 

誘導灯
車両を誘導するために必要なのが誘導灯です。
交通誘導警備などで使われています。
その他にも、緊急時に通報を行った場合に緊急車両を目的の場所に速やかに誘導する時、2次被害を防止するためなどで使用される場合もあります。

 

懐中電灯
昔からある定番のものです。
安価で購入できるので、現在でも多くの警備員が使用しています。

 

マグライト LEDタイプ
夜間の警備に不可欠なものです。
マグライトは割高で重たいですが、非常に丈夫で、とっさに時に護身に役立ちます。

また、軽くスイッチを押しますと、押したときだけ光る(フラッシュ)ので、目くらましにもなります。
左手でマグライトを構え、右手に警戒棒等を構えることによって、マグライトも護身になります。

 

マグライト ホルダー
マグライトを帯革に吊るすための専用ホルダーになります。
マグライト同様にとても丈夫です。
マグライトの置き忘れ防止になります。
また、不要時に収納することによって両手が空きます。

 

備えられている用具

さすまた(刺又)

近年、様々な施設に設置されるようになりました。
扱うには、高度な技術が必要になります。

 

信号煙管
列車見張業務をする場合に使用します。主に列車の停止(防護)などで使用します。

 

キューマスク
応急措置として人工呼吸をする時や感染症を予防するために使うものです。
AEDの設置が増えましたが、かなり以前からこのマスクを警備室等に常備して有事に備えています。

携帯できるもののルール

警備業法17条にて携帯を禁止するもの(新基準)
「警備員等の護身用具の携帯の禁止及び制限に関する都道府県公安委員会規則の基準について(依命通達)」(平成21 年3月26日付け警察庁乙生発第3号)による基準になります。

 

(1) 警戒棒(その形状が円棒であって、長さが30㎝を超え90㎝以下であり、かつ、下記図1にて定めるものに限る。)
(2) 警戒じょう(その形状が円棒であって、長さが90㎝を超え130㎝以下であり、かつ、下記図2にて定めるものに限る。)
(3) 刺股
(4) 非金属製の盾
(5) 第1号から前号に掲げるもののほか、携帯することにより人に著しく不安を覚えさせるおそれがなく、かつ、人の身体に重大な害を加えるおそれがないもの

 

図1

図2

まとめ

このように警備員が使用する道具には様々なものがあります。
それぞれの役割を知っておくことでいざ警備の仕事をするときに役立つと思います。
参考にしてみてください。