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警備の仕事はいつからあるのか?警備業の歴史
2021年8月11日

はじめに

普段の生活で意識することはないけれど、どこかで必ず見かける警備員の姿。
日々の生活の安心と安全を守る警備の仕事は、どのように発展してきたのでしょうか。
今回は、身近だけれど意外と知らない、警備の歴史について取り上げます。

日本の警備業の始まりは?

1962年(昭和37年)日本で初めての警備会社が設立されたのが、日本における警備業の始まりです。
それ以前は「水と安全はタダ」と言われており、警備業そのものが存在しませんでした。
そのため、当初は世間一般に認知されていなかった警備業ですが、1964年(昭和39年)東京オリンピックをきっかけに認知されるようになりました。

 

東京オリンピックの建設中の選手村には、取り壊し前の駐留米兵向け住宅が約400戸も残っており、不法侵入者が多発していたため、当時のオリンピック組織委員会が警備会社に警備を依頼したのです。
オリンピック期間中も競技施設の警備業務を行い、無事故で会期を終えました。
翌年には「東京警備指令 ザ・ガードマン」というテレビドラマも制作され、警備員という職業が広く知られるようになりました。

社会と共に発展する警備

こうして警備員という職業が社会に浸透する中で、1966年(昭和41年)新しい警備のスタイルが開発されました。
それが機械警備です。

 

機械警備は警備対象の施設に異常を検知するセンサーを取り付け、そのセンサーが異常を検知すると、警備会社の基地局へ通報され、警備員が現場へ急行する仕組みです。
それまでは常駐警備や巡回警備といった警備員が現場に詰めて警備するスタイルのみでしたが、これによって人手が足りなくても24時間の警備体制を整えることが可能になりました。
この機械警備システムは、1968年(昭和43年)に発生した、東京、京都、函館、名古屋と全国をまたにかけた連続射殺事件を解決するきっかけにもなりました。

 

東京・千駄ヶ谷の専門学校に侵入した犯人が、警報で駆け付けた警備員によって発見され、逮捕につながったのです。この事件によって機械警備への評価が高まり、警備業への信頼も高くなっていきました。

 

また、1968年(昭和43年)に起きた3億円事件を契機に警備会社の警備員による現金輸送警備が増加しました。
こうした社会的な事件だけでなく、高度経済成長期のビル建設ラッシュや高速道路整備などにより、警備の需要が増加しました。
現在では、警備業は以下のような区分に分かれています。

 

  • 1号警備 (施設警備業務、巡回警備業務、保安警備業務、空港保安警備業務、機械警備業務)
    オフィスビルや商業施設を始め、病院、学校、工場、空港など様々な施設において、その施設に適した警備を行います。
  • 2号警備(交通誘導警備業務、雑踏警備業務)
    通行人や車が往来する道路や、人が大勢集まるイベントなどで安全を確保するために行う警備業務です。
  • 3号業務(貴重品運搬警備業務、核燃料物質等危険物運搬警備業務)
    多額の現金や貴重品、または核燃料物質などの危険物を運搬する際に安全確保を行う警備業務です。
  • 4号警備(身辺警備業務)
    人の身辺の安全を守るために警備を行う、いわゆるボディーガードです。

警備業法の成立と警備業の社会進出

警備業が社会に普及する一方、悪質な警備業者や警備員による不祥事が発生したことを踏まえて、1972年(昭和47年)に警備業法が制定されました。
警備業法は警備業について必要な規則を定め、適正な警備業務が実施されることを目的としています。
幾度かの警備業法の改正を経て、警備業を営む者は都道府県公安委員会の認定を受けること、警備員として働くにあたって必ず研修を受けることなどが決められました。

 

また、法律の制定と同時期に、現在の全国警備業協会の前身である全国警備業協会連合会が設立され、警備業界初の業界団体が誕生しました。
1986年(昭和61年)には警備員検定(現在の警備業務検定)制度が設けられました。

 

1964年の東京オリンピックの後も、大阪万博、札幌オリンピック、長野オリンピック、ラグビーワールドカップなど、大規模なイベントの警備に警備業者が関わってきました。
このような国内外問わず多くの人々が訪れる大規模イベントでは、警察の力だけで全ての犯罪を防ぐことは難しくなってくるため、警備業者は業界ならではのノウハウを活かし、安全にイベントが実行されるサポートをします。
2025年には大阪万博が開催されることが決定し、ますます警備業界の需要が高まっています。

警備業の今後

令和元年時点での警備業者の数は9908社で、毎年緩やかに増加しています。
警備員の数も同じく年々増えており、令和元年で57万727人になります。
社会が多様化するにつれて警備現場の種類も多様化しており、随所で警備員の需要が高まっているため、警備業界は常に人材を求めている状態です。
警備の仕事は、社会と共に常に変化や成長を続けています。

まとめ

警備業は1962年(昭和37年)発祥の比較的新しい業種で、東京オリンピックを契機に社会に浸透しました。
その後も社会の変化や世間のニーズに合わせながら事業を拡大しています。
警備業者の数と警備員の数は緩やかに増加しており、社会の発展と共に警備業界も発展しています。