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警備員のための護身術とは?内容や学び方
2021年8月18日

はじめに

警備員は、人々の安心や安全を守るという仕事柄、侵入者や不審者に遭遇する危険性があります。
そのため警備員には護身術の心得が欠かせません。

 

今回は警備員にとって必要なスキルの一つである護身術について、どんな内容なのか、なぜ必要とされるのかを解説していきます。
警備の仕事に興味のある方はぜひご一読ください。

警備員が護身術を必要とする理由

警備員は不審者や侵入者と対峙する可能性のある仕事です。
他人の安全や安心を守るためだけでなく、自分の命を守るためにも、護身術が必要になることがあります。
どの程度重視されるかは業務内容によって異なりますが、全ての業務において護身術の習得が必須です。
警備関係の資格取得にも必要なスキルで、実技試験にも含まれます。
実際の現場で使うことは少ないとしても、護身術を習得することでいざとなったら対処できるという自信がつき、安心して業務に就くことができるのです。

 

・護身術の注意点

警備員の護身術はあくまでも「攻撃してくる相手から身を守るための技術」であって、積極的に相手にダメージを与えるものではありません。
相手が危害を加えようとしてきた時にだけ、行使するものであることを知っておきましょう。
また、警備員は体力に自信のある人に適した仕事なので、警備員志望の方の中には空手や柔道など武道の経験者も見られます。

 

体力に自信があり力も強いので、警備員に必要なスキルは十分ある、と考える方もいるかもしれませんが、体力や武道経験は護身術とは全く違うものです。
武道の経験がある方でも必ず習得する必要があります。

警備員の護身術はこの2つ

警備員が習得する護身術は2種類あります。
素手によるものと護身用具を使うものです。
どちらも基本的に相手の攻撃を受け流す技を習得します

①素手による護身術

基本となる構えに加え、相手からの攻撃を防ぐ「体さばき」「後ろさばき」といった防御技、「肘よせ」「片手内回し・外回し」「突き放し」「体沈め」といった、相手に体を掴まれた時に使える離脱技を覚えます。

ここでは一例として、基本の構え方と防御技をご紹介します。

・基本の構え方 正面の構え

不審な人物に対して声かけを行う時などに使用します。
万が一襲われても即座に対応できる体勢です。
図左の基本の姿勢から、左足(①)、右足(②)の順に半歩前に進みます。両足の間隔は一足長(かかと~つま先までの長さ)です。
両腕は自然に垂らし、相手を注視します。膝は完全に伸ばしきらないようにしましょう。

・右(左)の構え

より強く相手を警戒する時に、斜めに構える体勢です。
右の構えでは、図左の基本の姿勢から右足を約半歩前に進め、左かかとをやや内側にずらします。
両腕を自然に垂らし、相手を注視します。
左の構えは右の構えと左右逆の姿勢です。

・防御技 後ろさばき

後ろさばきは、相手の動きに対し反応が遅れた時、相手との距離が近い時、後方に下がる場所がある時に行う体さばきです。
相手が右手で胸部を突いてくる事態を想定しています。

 

まず正面の構えを取り、右足を左斜め後方に引くと同時に、左足をやや引き付けるようにして体を右に開き、左手刀で相手の前腕を打ち払うことで突きの軌道をそらし、身構えます。このとき左手は胸の高さ、右手は腰に構えます。

 

②護身用具を使う護身術

護身用具を使う護身術では、警戒棒や警戒杖、さすまたや非金属性の盾などを使って身を守ります。
相手が武器を持っている場合や、明らかに体格差がある場合にのみ使用します。
使う場面が限られているため、護身用具の扱い方だけではなく、使用できる状況であるか素早く見極める判断力が必要です。

 

これらの護身用具を所持するかどうかは、警備業務によって異なります。例えば警戒棒ですが、交通誘導や雑踏警備などの緊急性が低い現場では、警戒棒を携帯することが禁じられています。施設警備や現金輸送警備、身辺警護などの業務では携帯が許可されています。

 

また、護身用具はあらかじめ公安委員会に届け出をし、許可を得たものしか使用することができません。

護身術は初めてだけど大丈夫?

警備員になると、最初に20時間以上の研修を受けることが法律で義務付けられています。
その研修で護身術を学ぶことができるので、経験がなくても大丈夫です。
護身術の他、警備に関する法律やトラブルへの対処方法、救命措置などのスキルも習得します。
指導教育責任者のレクチャーに沿ってしっかり学ぶことで、とっさの事態でも身を守れるようになるでしょう。

まとめ

護身術は現場の安全を守るためにも、自分の身を守るためにも、警備員に無くてはならないスキルです。
護身術には素手によるものと護身用具を使用するものの2種類があり、どちらも相手の攻撃を受け流すためのものです。
警備の仕事に就く前に、研修で護身術の教育を受けることができるので、護身術の経験がなくても問題なく警備員になることができます。