雑踏警備の重要性、警備員の役割とは

はじめに

2022年10月、韓国梨泰院でハロウィンパーティーを楽しんでいた人々が狭い路地に殺到してしまい「群衆事故」が発生し大勢の人が被害に遭うという悲しく痛ましい事故がありました。

日本でも今回の事故と似たケースでは、2001年7月に兵庫県明石市の群衆事故で大勢の人が被害に遭ってしまった明石歩道橋群集事故があります。

また、2021年8月にも京都市の亀岡市花火大会で帰宅する人々が駅に殺到し大事故になりかけたというニュースも記憶に新しいのではないでしょうか。

 

こういった雑踏での事故や災害を未然に防ぐために雑踏警備という警備があります。

雑踏警備(イベント警備)は、人が大勢集まる場所での警備業務で、お祭りや花火大会などのイベントには雑踏警備業務を行う警備員が配置されることも多く、事故などを警戒し防止するという業務を行なっています。

 

では、雑踏警備を行う警備員はどのような業務を行なっているのでしょう。

今回は雑踏警備の警備員の業務と役割について解説していきます。

 

 

群衆事故(群衆雪崩)・雑踏事故とは

雑踏とは、大人数で混み合っていること(人ごみ)をいいます。

群衆とは、大人数が密集し群れとなってしまった状態です。

 

群衆事故(群衆雪崩)・雑踏事故とは、人々が密集した際に一人がバランスを崩し倒れることで、周囲の人々も雪崩のように連鎖的に転倒してしまうことです。

韓国で発生した群集事故では、緩い坂道の狭い路地で店に入る人と出る人で密集してしまい人々が押し合いのようになり、その場にいた人は逃げ場を失い次々に転倒し群集雪崩という事故に繋がってしまいました。

 

群衆事故には人々の群集心理も大きく関係があります。

日常と違う異常な雰囲気に巻き込まれ興奮状態になってしまう、群衆の中で各々が持つ責任感が薄れてしまうなど、個人個人は小さな存在でも群衆になることにより危険度が高くなってしまいます。

 

群集心理の詳細についてはコチラをご参考下さい。↓

(雑踏警備(イベント警備)で知っておきたい「群集心理」〜人が集まった時に起こりやすい心理状態とは)

 

 

雑踏警備(イベント警備)とは

雑踏警備とは第1号警備業務から第4号警備業務という区分の中の、第2号警備業務になり交通誘導警備業務・雑踏警備業務などを行う警備です。

第2号警備業務は、実際に警備する現場によって仕事内容が違います。

 

交通誘導業務の場合、主に駐車場や工事現場などで車両や通行人に事故や怪我がないよう警備を行います。

 

雑踏警備の場合、屋内外において人が多く集まる場所で警備を行うものでイベント警備ともいわれます。

主な業務は、人や車両に対して事故の発生を警戒し事故や事件を未然に防ぐといった警備です。

 

雑踏警備(イベント警備)を行う現場では、国家資格である警備業務検定1級〜2級の合格警備員を1名以上配置することが義務付けられています。

また、警備場所の広さ、雑踏の状況などにより警備場所が複数に区分される場合は警備業務検定1級検定合格者を配置しなければならないと警備員配置基準で定められています。

 

雑踏警備の警備員の役割

実際の現場では来場者が群集心理で興奮状態にあることも予測されますので、警備員には冷静な判断、丁寧な対応、穏やかさといった高いスキルを持つことが求められます。

 

冷静な判断:その時の感情に左右されることなく落ち着いて物事を考えて行動する。

誘導する警備員が優柔不断では的確な誘導を行うことが難しいのではないでしょうか。

時には毅然とした態度で落ち着いて物事を考え行動するスキルが必要です。

 

丁寧な対応:細かいところまで気を配り相手に接する。

警備をしていると会場までの道を尋ねる人、駐車場の場所など尋ねられることもあります。

愛想なく対応されると相手も良い気持ちではないでしょうし、トラブルを招きかねません。

忙しい現場ですが丁寧な対応で接する、思いやりの気持ちも大切です。

 

穏やかさ:あまり感情を出さず気持ちが安定している、物事の変化に動じない。

来場者は、いつもと違う雰囲気やイベントのワクワク感、群集心理で興奮状態になっている場合もあります。

配置された警備員は、雰囲気に飲まれることなく、穏やかな気持ちで業務に臨むことが大切です。

 

警備員は、このような高いスキルを持ち車両や歩行者の安全確保に努め、事故を未然に防ぐという役割があります。

また、万が一事故が発生した場合にも速やかに事態を収集し事故の拡大を防ぐという役割も担っています。

 

皆さんが様々なイベントを安全に楽しく過ごせるように、警備員は欠かせない存在なのではないでしょうか。

 

 

まとめ

警備員の業務は施設警備、巡回警備、雑踏警備、保安警備、貴重品運搬警備、身辺警備など様々なものがありますが、どの警備業務も警備員には適切な役割があり責任のある大切な業務です。

どの分野の警備員も日々様々な訓練を行っていますが、さらに国家資格である警備業務検定や警備員指導教育責任者などの資格を取得し、より良い警備を目指しています。

 

MTテクニカルジャパンでは、警備の専門家としてプロフェッショナルな警備スタッフが皆さんの安心と安全を日々サポートしております。