買収後に失敗しないために

表面しか見ないデューデリジェンスは危険!

M&Aで失敗しないために買い手はデューデリジェンスを慎重に行わなければなりません。

デューデリジェンスとは、売り手企業の調査の事です。

・3期分の決算書
・社員情報

これらの資料を基に買収メリット/デメリットをはじき出し、売却金額の妥当性を算出します。しかし、それらの資料をいくら読み込んだとしても、売り手企業の本当の部分を見ているわけではありません。これらの資料はあくまでも売り手企業の上澄みにしかすぎないのです。

表面の上澄みで全てを読み取った気になり、浮足立てたままM&Aを実行してしまうと...

「それはやくいってよ~」と買った後に必ず後悔することになるでしょう。

買い手側は、数千万円~数億円売上規模の小規模案件の売り手企業もしくは経営者に対して【いわく】が付いていると思って対処しなければなりません。

M&Aの実績がないあなたに声が掛かるという事は、そもそもその案件が不人気案件だという事なのです。そういう俯瞰的な視点がなければM&Aは必ず失敗します。
          

デューデリジェンスを専門家に依頼するべき?

M&Aの経験がない会社や経営者は、デューデリジェンスを自分で行うか、はたまた専門家に依頼するかを悩みます。

M&A業界でいう数千万円~数億円の小規模案件のM&Aに多いのは、専門家を気取った経営者が知識不十分でM&Aを行う行為です。

いや、むしろ気取って行いたい。M&Aの実績をひけらかしたい。
こういう未熟な経営者が非常に多いです。この手の節がある方は自重して下さい。

そしてあろう事か、まるで丘サーファーのような裸の王様経営者を売り手側は見抜いてしまっています。
見抜いているからこそ、裸の王様経営者に対して、気持ちよくなる反応に徹します。

売り手は買い手がどんなバカ経営者であっても、一刻も早く売りたいと考えているからです。
裸の王様はそれに気づいていません。

むしろ【ストロングバイヤー】と呼ばれて、気持ちよくなっている場合がほとんどです。
まるで滑稽でしかありません。

企業は生き物です。それもあなたが想像するよりも複雑な構造と感情を抱いている面倒くさい生き物です。

デューデリジェンスは浮かれることなく常に慎重に行わなければなりません。

はじめは専門家を付けることが良いでしょう。

書類の読み方に関しては一応プロだからです。
しかし、彼らは資料の裏側に潜んでいる本当の部位まで調べようとはしません。
むしろそういう部分を見抜く能力がないと表現した方が正しいです。

あなたにとって理想とするM&Aなど存在しません。
ですから、あなたが失敗しても経営が揺るがない売り手先を見つける事です。
そして専門家を付けて資料解析を学ぶことが大切です。

あなたに2度目、3度目のM&Aの機会が巡ってきた時に、専門家に頼らず自分自身の会社でデューデリジェンスを行ってみて下さい。

このような売り手には裏がある!?

デューデリジェンスの重要性は理解できたでしょうか。では売り手には一体裏があるのか、売り手の言葉をどこまで信じればいいのか。
これを見抜くのは大変難しい事です。
ですから違和感を見つけて下さい。
M&Aでは、デューデリジェンスの前後途中で必ず面談があります。
その時に投げかける質問に違和感を感じれるかどうかで、デューデリジェンスの精度が全く違ってくるのです。

数千万円から数億円の小規模案件の注意点

・仲間内でM&A相手を探せず仲介業者を選んでいる経営者
・社員のだれにも相談していないにも関わらず、買い手に対して【社員だけは必ず守ってほしい】とよく言う経営者
・数年の間で株主が複数回変わっている
・代替わりの時期と古参社員の退職時期が被っている

このような違和感を徹底的にあぶり出し、面談の際に売り手側に躊躇することなくすべて聞いてください。

なぜなら、売り手の最終目標が売却であり、しかし買い手はそこからが始まり。

売り手と買い手は、M&Aという手法で利害は一致しているだけに過ぎないのです。